うぇるそふぃあ ~35歳リーマンの生活収支改善ブログ~

某IT会社で勤める35歳の企画系ヌルリーマンの日常。日々が退屈で、面白いことを失ってしまった僕に「楽しさ」と「驚き」を。自分がテクノロジーやガジェットが好きなのでそれ系の記事が多めになると思います。

目標は低く、意識ひくいひくーい

大学時代、こんな言葉が流行っていた・・・


「意識高い系」

ビジネスコンテストに出場し、IT企業だかコンサルだかでインターンをし、授業にはあまり来ない。就活のためなのか、もっと高い目標のためなのか、行き急ぐように大学生活を送る彼らのことを指していた。私は彼らをやっかみも込めつつ、こうつぶやいたものだった。

「意識たかいたかーい。m9(^Д^)プギャー」

彼らが今どうしているのか?私は全てはしらないが、彼らの大半は社会的に成功し、活躍しているのだろうと思う。

 

さて、先日読んだ ぼくたちは習慣で、できている。は逆に、「目標を低く持つことの大切さ」を教えてくれる。

この本は、目標を達成するために必要なものは高い目標や高いモチベーションではなく、地道な練習と行動の積み上げだと教えてくれる。

 

特にそのためのアイデアとして「習慣化」というキーワードで、行動を変えるためのポイントを50個のテクニックと一緒に紹介してくれる。


例えば、「目標はとにかく低くする」低くすることで、
 ・確実に目標を達成して、自分の中に成功体験を持たせる
 ・逆に「着手する」までのハードルを下げることで目標への行動へ向かわせる
という効果を狙っている。

また、習慣化させるために毎日行動することの意義を説いていて、逆に週3回などの行動の仕方は難しいと語っている。

非常に読みやすく、読んだら読んだだけ役に立つ内容なので、ぜひ何か目指すものがある人は読んでおいたほうが良い一冊です。

ぼくたちは習慣で、できている。

ぼくたちは習慣で、できている。

 

 

「エンジニア」として悩んだと思った時に何度でも読みたい本「エンジニアリング組織論への招待」

今年一番感動した本です。
「エンジニアリング組織論への招待」(by 広木大地氏)

ちょっとだけ真面目な話をさせてほしい。

自分が20代を某通信系企業で過ごしてきて、一番印象に残っている上司の言葉が

「俺たちはビジネスエンジニアであれ」

である。

大手企業で現場もあまりない。個人の中に技術スキルもほとんどない。若手のころからやることと言えば、会議資料や稟議書作成。

それなのに部署の名前はいっちょ前に「技術部」。周りから仕事は何ですか?と言われれば「エンジニアです」と答えるしかない。

そんな自分の中での矛盾を解消してくれた言葉が上記の「ビジネスエンジニア」という言葉である。
ビジネスエンジニアとは何か?結局その上司から明確な回答が与えられることはなかったが、本書とメッセージは通底したように思う。

 

本書もエンジニアリングを対象としている一方で、技術そのものについてはほとんど触れない。

 

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

なぜなら、本書の対象としているエンジニアリング=不確実性を減少することであり、本質的に不確実なものは未来と他人の2つに尽きるからである。

 

未来については、プロジェクトマネジメントとアジャイルプロダクトマネジメントを紹介しながら話が進んでいきます。
プロジェクトマネジメントとは、決まったゴールに向けてチームのリソースを配分し、適切なスケジュールでプロジェクトを効率的に終わらせるための手法であるのに対して、アジャイルプロダクトマネジメントは、決まっていない(不確実性の高い)環境下でチームのリソースを配分し、ゴール自体を実験的に変化させ、環境への適応を図りながら、プロダクトを改善させる手法であると解説している。

具体的な手法として、スプリントを繰り返していくこと、生産性指標としてヴェロシティなどがあげられること、学習をしHow自体を改善していくことが挙げられている。

もう一つの他人については、1対1のコミュニケーションで有効なメンタリングのための技術を紹介しています。

 

メンタリングのポイント

  1. 傾聴を行い、相手が話しやすい環境を提供すること
  2. 問題を明確にし、本人が解決策を考えられるための問い
  3. 心理的に安全な環境を提供すること
  4. SMART(具体性のあり、フィードバックのできる)な行動をとらせること

そして、組織として発生しがちな部署間のやり取りや経営層との認識のギャップを「技術的負債」という言葉を基に説明しています。

特に、設計とは「何かを効率的に処理するために変化させる部分を変化させられるようにし、逆に変化させる必要がない部分を固定し、効率化する」ものである。そのため、変化させる必要がないという判断のもと、固定させたものを変化させる必要が生じたときに技術的負債が発生すると書いている。

逆に、これらの設計がビジネスの状況に適切に機能している場合「アーキテクチャ」と呼ばれ、ビジネスに対して好影響を与える。

そのため、これらの技術的負債が発生しないように要件を考えること、逆に発生しているときにそのインパクトを適切に伝えるようにコミュニケーションをとることがエンジニアのやるべきことであると説いている。

 

正直、一章一章が名著で何度でも読みたいと思える本でした。
かつての上司が語るビジネスエンジニアもまさに、本書の問う「不確実性を適切に対処し、技術をハンドリングするエンジニア」という意味合いだったはずで、彼が背中で教えてくれたものを言語化してくれる書籍でした。

 

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

 

 

 

「さあ、課題を解決しよう!」と思った時に読むべき『問題解決大全』

 自分の中での夏休みの課題図書2冊目『問題解決大全』(by 読書猿氏)。
読みきったのでレビューしてみようと思います!

ビジネスや人生のハードルを乗り越えるための37のツールという形で、歴史が生み出してきたツールがひとつずつわかりやすく紹介されている。

1つ1つは十数ページなので、非常に読みやすかった。

 この本を読みながら感じられたメッセージは、「問題はその問題を正確に認識できた時点で、実はほとんど解決されている」ということ。

そのため、本全体でも、問題を分析する⇒解決策を探求する(真因の深堀)に非常に力点が置かれている。

 

まず、問題を分析、認識するために、「100年ルール」「二ーバーの仕分け」で、問題を過大評価することなく問題と向き合う。

100年ルール=この問題は100年後も重要か?と自分に問い、問題を変に過大評価しなくする。

二ーバーの仕分け=この問題は解決可能か?ということを問い、解決不可能であればそれは問題として扱わないと決める

 

 

そのうえで、キャメロット」、「ロジックツリー」、「要因特性図(「魚の骨」図)」を用いて、問題を構造化していく。

ここまでで、問題の構造が明確になったところで、解決策の探求へ移る。
解決策は「文献調査」、「力任せ探索」などの手法や、「マインドマップ」や「ブレインライティング」などの方法で解決策を立案し、それらを比較(プロコン図)し優先順位に基づき、意思決定する。
(方法論自体はとてもオーソドックス。)

ここまでで、37のツールのうちの19が出てくる。
つまり、問題を把握する、構造化する、解決策を洗い出す、意思決定するところまでで半分以上のツールが出てくる形になる。

解決策の実行は、実行そのものというより、むしろモニタリングやどのように実施するための障害を取り除くのか?に力点が置かれ、まずは行動への着手を促すための「ぐずぐず主義克服シート」やとにかく行動へのエンジンを外部化するオデュッセウスの鎖」が紹介されています。

これらの手法のポイントは、実行できるレべルまで細かく行動を刻む。
(ダイエットする ⇒ 今日、1kmジョギングする、早く寝る など行動を明確かつ簡単にする。)
そして、それらがうまくいかなかった際には、早期に改善していくことの重要性が紹介されている。
(出来なかったら、解決策の刻み方をもっと細かくする、タイミングを変えるなど、実行されるまで改善する。)

最後に、結果の吟味という項目で、実行された問題解決を自己評価し、さらに良い問題解決や振り返りの学びへと繋げることの重要性が書かれている。

 

本書はここまで26のツールが紹介されているが、後半ではサーキュラーな問題解決という問題自体が相互依存してしまっているがゆえに、単純な解決へ至らない問題を解決するためのツールが紹介されている。
(問題の例:ひきこもりの息子となんだかんだ甘やかしてしまっている両親など)

方法論は単純な問題解決と同じ、問題の認知から始まる。
しかし、大きな違いは問題が相互依存(多くの場合、問題の渦中にいる人の感情対立を伴う)してしまっているために認知の枠組みを明確化し、必要に応じて認知を変える点を重視する点が異なる。

そのため、「因果ループ図」で問題を構造化すると同時に、「リフレーミングで問題の意味づけを変えたり、問題自体を擬人化し、「問題自体へ相談」するなど問題と関係者の人格を意図的に分離するなどの心理学的な手法が紹介されている。


また、解決策の探求についても、エスノグラフィー」による観察手法や「二重傾聴」などの手法で、問題の意味づけを変えていく方法の模索が行われる。
これはサーキュラーな問題の渦中の関係者が問題の中に「取り込まれている」ために、外部から客観的にリフレーミングするのを支援する方法である。

二重傾聴=問題の渦中の人の話を聞きながら、本人が認識していない話を客観的に伝えることで、問題の渦中の人の認知を変えていく。
例:ひきこもりの息子が何をしても部屋から出ない ⇒ でも、トイレには出ますよね? 例えば、コンビニに飲み物を買いに行くなどはできるのでは?など。「何をしても」という問題の渦中の人の認知のゆがみを見つけていく。

解決策としては、とにかく解決策に向けて突っ込むピレネーの地図」や問題をにゼロ化するのでは徐々にコントロール化へ置いていく「症状処方」が紹介されている。

サーキュラーな問題解決は問題自体が相互依存しているので、解決策の実施を妨げるがとにかく行動あるのみ!ということか・・・

 

本書は、自分が普段向き合っている課題を考えながら読むと、「ああこの部分できてなかったなぁ」と思わせてくれて、手法の勉強というよりは問題の洗い直しに役にたった。

 

 

株式投資が上手いとはどういうことか?

またやってしまった。。。

買った銘柄が、まさかのストップ安に・・・。
おのれー!インターネットインフィニティめ!!

「Web×リアル」の介護事業の会社でガンガン出店増やしてるとか、めっちゃいけそうと思うじゃないですかーーー。なぜに赤字で決算なのか・・・。

この好景気にまさかの赤字になってしまった橋梁・土木の建設会社、ピーエス三菱など、どうも私はダメな銘柄を選んでしまう傾向にあります。
(逆にうまくいった銘柄は、上がり幅が大変小さく、典型的なコツコツドカン系凍死野郎に・・・)


これまで(空売りをしない前提で)株で儲ける方法をいろいろ本を読み漁った結果、

 1.上がる銘柄を

 2.安い時に買って

 3.高い時に売る


という当たり前のことを突き詰める以外ないというところへ行きつきました。
この3つのうちどれか1つでもできていれば、大損はしない。というのに、
なぜ損をしてしまうのか・・・。

ちょっと真剣に自己分析してみようと思います。

まず、自分の戦略についてですが、一定の割合をインデックス投信にしたうえで、ギャンブル的に日本の個別株へお金を投下しています。
個別株の銘柄については、バリュー・グロースを両方やりますが、結果的にPER・PBRで割高なものへの投資は勇気が出ないので、結果的に「グロースも押し目買い=逆張りになりがちになっている状況です。(これ、後で自分の悪癖として明確化されてきますので後程・・・)

現在の持ち株を買った時の状況と、結果でマトリックスを書いてみました。

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①熟慮の末に買った銘柄
事前にチャートをお気に入りに入れて、買うタイミングをじっくり検討する。目標価格と現状の価格の比較など、自分なりに調査・下見をしっかりした銘柄。
⇒バリュー戦略のもと、割安なところで買えているものはちゃんと上がっている。
 結論:バリュー系の戦略は上手くいっている。

逆に、グロース戦略に乗ったものは失敗している。
理由として、「上がっていた銘柄が下がり始めたところを押し目と勘違いして買う」という現象が起こっている。DeNAとか、完全にマリオ・ポケモンGOに期待して乗っていたりする。
逆に、目を付けた銘柄が下がってこない場合、高嶺の花過ぎて敬遠し続ける現象が起こっている。(安川電機バンナムなど)
⇒熟慮したグロースはうまくいっていない。(「上がる株」が「安い時」に買えていない)

 

②衝動買いした銘柄

これも①の失敗しているパターンと同じで、衝動買いへ至る手前で「無意識に押し目を探している」というのと、「下がるまで持ち続けてしまう」という2パターンで失敗している気がする。
例えば、ありがちなのが衝動買いしたい株AとBがあったときに、上り調子のAではなく、値ごろ感の出てきているBを衝動買いする現象が起こっている。
さらに、売るタイミングとして、「熟慮をして買った銘柄=ある程度の長期保有」はいいとして、「衝動買いした銘柄まで長く持つ」ということをしてしまっている。
なんだかんだどの銘柄も一回は「高く売り抜ける」チャンスがあったわけで、自分の力量不足を感じる・・・。


そして、極めつけが衝動買いした銘柄でストップ安を食らう大ダメージ・・・。
振り返ると負けパターンが明確に見えてきますね・・・。

◆今後の改善

まずは、株を買う前には熟慮をちゃんとする。
熟慮銘柄は勝率が5割を超えることが多いので、バリュー戦略は適切なタイミングで買い増しする。
熟慮銘柄でグロースを扱う場合は、2週間は様子見する。トレンドが崩れたグロース系の銘柄は「筋が悪い」ので諦める。
2週間様子見したうえで「いいものは高い」の気概を持つ。

逆に、衝動買いはすぐ買ってすぐ売る。押し目は探さない。下がったらすぐ売る。
決算はなるべくかかわらない。という戦略でもう一度頑張ろうと思います!!
 

 

『天才はあきらめた』といいつつ、ちゃっかり猛烈に努力している山里亮太について語る

読書ログです。

南海キャンディーズとして、大活躍中の山里亮太さんの振り返りです。
私は山里さんは深夜ラジオを聞きこむくらいファンだったのですが、彼の華々しい活躍の裏側にある「ドロドロとしたもの」をこれでもか!というほど書き連ねた本です。

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

 

彼の行動を語るうえで、張りぼての自信」がまずはキーワードとなる。

南海キャンディーズ結成にいたるまで、山里亮太は2度コンビを解散している。
彼は周りで嫌なことがあるとその不安や苛立ちを、自分のノートへ書き込むと同時に、相方にもぶつけていたのである。

「自分は天才じゃない」という自覚を強制的に消して、すごいところを目指さなくちゃいけなかった。「あいつのは才能がない」と誰にもバレないように、天才が自然にしていることをやり遂げる必要があった。

NSC時代には同期のキングコングの大活躍と、一方で活躍できていない自分。
「ふざけるな!」とその苦しみを燃料にネタを書きまくった。そして、不安を紛らわせるために相方を何度も叱った。

ここまで頑張る自分は天才だなと「偽りの天才」を作り込み、少しでも褒められたら「張りぼての自信」を固めていく。嫌な目に遭ったら「地獄ノート」に復讐の言葉を綴りエネルギーにする。
(実際に、いやなことを言ってきた社員に復讐したり、本当に根に持っている。)

なんと陰湿なモチベーションの保ち方なのだろう・・・

正直、読みながら、若干ひいてしまうようなところもあった。
特に、相方につらく当たり続けて、コンビを解散することになるくだりを南海キャンディーズも含めると3回やっていたり、相方が活躍すれば嫉妬でますますつらく当たるなど・・・。

一方で、これらの話が全て、この本のタイトル『天才はあきらめた』に通じてくる。
実は本書は最初『天才になりたい』というタイトルで出版されているものを加筆したものである。


天才なら、淡々と努力ができる。天才なら、自分が面白いと思うものをやり、それで笑いが取れる。天才なら、すぐに結果がついてくる。
そういう「天才」ではなかった山里さんがいかにして、スターダムを這いあがっていくか、そういう血のにじむ努力が赤裸々に描かれている。

天才でない。から無理なのではなく、天才でない。なら、ないなりに努力しようと本当に思える一冊でした。

南海キャンディーズに興味がなくても、楽しめる一冊です。

 

 

 

『Maker Faire Tokyo 2018』に行った。ハンダごて衝動買いした。

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Maker Faire Tokyo 2018 | Make: Japan


「Makers Faire Tokyo 2018」@東京ビッグサイト
友人から面白いから行くべきだ!と紹介してもらい行ってきました。

炎天下の中でしたが、正直、期待を大幅に超える面白イベントでした。
会場を所狭しと並ぶ小さいブース。大量に並んだ(わけのわからない)びっくりガジェット群。

尊敬してやまないメディアアーティストの落合陽一氏いわく
「十分に発達した科学は魔法と区別がつかない」
らしいですが、それを感じさせる空間でした。

魔法の世紀

魔法の世紀

 

 

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まさに、「魔法」。箒型モビリティ『ext-broom』

https://www.facebook.com/MONOCreLab/
(箒にまたがって移動できます。)


また、最新のコンピュータ技術をアナログに理解させるボードゲームやプログラミング教育用のツールなどの展示があったり、

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ブロックチェーンを理解できるボードゲーム『Trustless Life』(加藤明洋)や写真はないもののゲームの決定木の考え方が理解できるカードゲームなどの展示あり。


また、おもちゃ好きにはたまらない、技術とおもちゃの融合した『COLOR BLASTER』など、ガジェットもがっつりと展示されていました。

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https://teamcolorblaster.wixsite.com/colorblaster

また、『ロボットバンド』やソレノイド横丁の『ビッグクラッピー』など単純に観ていて面白いロボットなども多数紹介されています。
彼らが、まとめて人類に牙を向いたりしたら・・・と妄想しながら回っていました。

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youtu.be

 

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あとは、だれもが一度はやってみるダンボール工作の最終進化系のようなマスコットキャラクターも、すごい存在感を放っていました。

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ソフトウェアの世界というか、「計算処理」の世界はRasberryPiを使えば、一般的なソフトウェア技術で何でもできる(文字通り、今は画像処理のAPI機械学習APIなんかもあるので、ハードルは昔に比べると圧倒的に下がっている)はずで、ハードウェアの世界で対象物に触れる部分を組み挙げられる技術があれば文字通り「魔法」が実現する感じがありありと浮かんでくる。しかも、このMakers Faire、わりと個人単位や小さいグループでの展示も多く、「一部の変わり者が世の中を変える」という世界観を体現している感じでした。

特に社会実装で「画像認識できゅうりの仕分けをする機会を試作したロボットベンチャー」や農業活用で雑草をとるアイガモロボットなど、ハードウェア技術があると即ソフトウェア技術と融合させて、即社会で実行に移されていくスピード感を感じることができました。

お家のおもちゃ箱からRasberry Piをサルベージして復活させようと思いました!

 

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

 

 

日本再興戦略について

落合陽一さんの本を読むときは、いつもいいしれない劣等感に苛まれる。

ある時期は同じ学校に通い、同じ授業を受け、きっと同じ問題意識を持っていたこと。

それでいて彼が自らの問題意識に対して、文字通り「命を削って」向かい合っているのに、自分はこれまでも今も「命を削らないままで」向かい合っていることを毎回思い知らされる。

(同級生からは「逃げ方が中途半端だからそうやって苦しむことになる」と言われているが。。。)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

さて、『日本再興戦略』について書いていこうと思うが、歴史の解釈についてはコメントのしようがなかったので、現代以降に絞って感想を書こうと思う。
(あえて本書の範囲を大きく超える形で書いていく)

 

まず、大前提の時代性として、現代は近代的価値観(均質的な教育・拝金主義・唯一の社会の正義)が崩れていくプロセスが現在進行形で進んでいる。
その中では近代の軸の最終進化系ともいうべきプラットフォーマー(あるいは超エリート)の台頭と近代とは異なる軸で勝負をする地域分散の社会への多層化が同時に進行している。

 

機械のような人間 vs 人間のような機械
本書では機械翻訳やチャットボット、自動運転が扱われているが、テクノロジーの発達により人間は機械化されていく。例えば、「認識能力の拡張」という意味でホロレンズのようなものを入れ、IoTでつながれた外界の環境を把握できるようになる。
「コミュニケーション能力の拡張」という意味で機械翻訳が会話をサポートする。
あるいは、既に義足での100m走の記録が健常者の記録に追いつきつつあるように、機械が人間の身体性も補う(そして人間を超える)時代が来ると考えている。

一方で、機械側はますます「人間に近づいていく」。
チューリングテスト(人間とコンピュータを判断するための試験)をクリアし、人間的な駆け引きができる人工知能人狼知能)やユーモアを備えた人工知能大喜利β)などが登場し、人間と機械の境界をあいまいにしていくだろう。

 

最終的には、デカルトの「われ思う、故にわれあり」という状態へ近づいていくのではないだろうか?

 

・カリフォルニア帝国(プラットフォーマー) vs 地域分散(トークンエコノミー)

上で書いたような技術を生み出すのはプラットフォーマーである。プラットフォーマーは資源(資金・人材・技術・データ)を世界中から集積し、それを基に新たなプラットフォームを生み出し、プロットフォームを高速で成長させる。
プラットフォームはその傘下にある小企業群と共に生態系を作りながら成長していく。

一方でプラットフォーマーはデータなどの資源を独占的に持ち、指数関数的に成長するので、普通は勝てない。

プラットフォーマーへの対抗策として、中央集権制を廃した地域分散型のトークンエコノミーが生まれる。トークンエコノミーの本質的な価値は「唯一性」であり、何らかの魅力や思想を核に求心力を持っていく。

プラットフォーマーが「便利さ」「優秀さ」を訴求するのに対して、トークンエコノミーは「不便さ」「包容」を訴求する。

これからの社会は「唯一であること」「真似しにくい魅力があること」を問われていくのではないか?

「唯一さ」とはなにか?これずっと考えてるけど答えが出ないので省略。

・一つを極める vs いろんなことをやる
 
個人も変化を迫られる。これまでのホワイトカラー的付加価値(何かを整理する。多くの人が共同できる素地を整える。ルールを運用する。)は情報技術に取って代わられる。
そのため、ものを作りだすクリエイターが重要になる。無理なら何とかして、複数の仕事を掛け持ちして、いらんなことをやって稼ぐしかなくなる。ポジティブにとれば縛られることなく好きなことをたくさんやって稼ぐ。
それが厳しいのであれば、「カースト制度」的なシステムで、ミッションを人に配給して与える。
(落合氏はおそらく、人の幸福を「安寧でそこそこのやりがいのあるミッションを持つこと」と定義しているが、例えば、中学生には「部活」「勉強」というわかりやすいミッションがあり、安寧もあるがそれが幸福か?という議論はできると思う)


・土台にあるのが人間のモチベーション

機械(AI)と比べて人間に優位性があるのは以下の分野

 ・ヒューマンインタフェース(コーチや心療内科など)

 ・身体性

 ・モチベーション

センター試験を合格する能力を持つAIは作れても、きのこ狩りが好きなAIは作れない
(山をあがるきのこを回収する身体性がない、ニッチでデータが見つからない、そもそもAIにモチベーションを持たせられない、それができたとしても金銭的に釣り合わないので、きっとキノコ狩りAIは作りえない)

 

人間は「やりたい」という感情があり、それを活かしていくとその人の中にストレスもないのでその人の強みになる。

個人的にはパフォーミングアーツ(身体を使った芸術)に興味があり、これからの時代はもっとダンスや舞踏などが評価されるのではないかと考えている。
(身体性があり、ニッチで機械や素人による模倣不可。)


AJDC2014 women's 1diabolo 1st erika suda

 


日本高校ダンス部選手権・ビッグクラスで大阪府立登美丘が準優勝