エンジニアリング「以外」でサービスを成長させる方法
最近、「エンジニアリング(=プログラミング)が技術のすべて」みたいな言説に触れることが多い。
仕事柄、それはある程度事実で技術があれば大抵の課題は解決できたりする。
ただ、それだとスーパーエンジニアでチームを組む=最強となってしまい、僕のような文系ゼネラリストや他の分野のスペシャリストは不要ということになりかねなくて非常に危機感と違和感を持つことがある。
この本は、そんな「エンジニアリング(=プログラミング)以外にも大切なこと、技術力がなくてもサービスのためにできることがあるんじゃないの?」という疑問に答えを与えてくれた1冊です。
特にこの本の1番最初、チームを作る章で
グロースリードに特別有利な経歴はなく、データ分析の素養、プロダクトマネジメントについての理解が必要と書かれていて非常に心強い。
Webサービスメインで書かれているものではあるものの、Webサービスのみではなく、幅の広いサービス・プロジェクトへ適用できる可能性も持った話で本当に勉強になりました。
◆まとめ◆
第1章:グロースチームを結成する
・グロースチームは組織横断的に、「サービスを成長させる」ミッションを追求する
・販促はマーケティング、機能改善は開発チームというような縦割りを排除
・役割は、グロースリード、プロダクトマネジメント、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、マーケティングなどから選定
第2章:プロダクトの渇望度を測る
・成長させる前に、サービスの「Must have」度合いをしっかりと定義する
→「なくなったら、どれくらい悲しいか」を問う
・サービスの「もっとも価値を認められる瞬間(=アハ体験)」を特定する
→ユーザーにしっかりとインタビューをする。アナログに聞きこむ
・そのアハ体験に引き込むようにサービスの動線を改善する
第3章:成長のレバーをつかむ
・どのようにしたら成長するのか?KPIの目標指標を定め、定式化する
→エンゲージメント=一人当たりクリック数×頻度 など
・KPIの目標指標を「北極星」とし、それを改善するための施策を打ち続ける
第4章:高速で実験を繰り返す
・アイデア生成→優先順位付け→実行→振り返り を高速で回す。
→失敗した数だけ学習できる。どうすれば北極星を伸ばせるか実験を繰り返す。
ヘビーユーザーの行動やユーザーフィードバックにヒントがある
・優先順位付けはImpact、Confidence、Easyの3つを軸に評価
第5章:獲得をハックする
・刺さるメッセージを作る
・複数のチャネルを試し、うまくいったところへ集中的に投下する
・バイラルを設計し、ユーザー間で広がりやすくする仕掛けを作る
第6章:活性化をハックする
・アハ体験への道のりを設計し、そこへ至るまでの障壁をとにかく下げる
(ユーザー登録、難しい操作などを飛ばして、手軽にアハ体験へ到達してもらう)
・ユーザーが離脱している箇所があれば、そのあたりにアンケートを仕込み、何がネックなのかをユーザ自身に聞いてみるのもよい
・一方で、ユーザーが学べるようにアンケートを用いたパーソナル化やゲーミフィケーションを用いて、ユーザーのモチベーションを上げる仕組みを入れる。
・トリガー(リマインド)を設計する
第7章:リテンションをハックする
・まずは分析する
→適切なセグメントへ分解できることが重要(キャンペーンユーザなのかオーガニックなのか?など)
・ユーザーのパターンは「初期・中期・長期」へ分類可能
→初期:活性化と同じで「アハ体験」のところまでどうにかして誘導する
中長期:習慣化の仕組みを整備し、複数回使える。長く使うことの魅力を訴求する。
(アンバサダープログラムなど)
・「将来の価値向上を予告する」「一括でお金を取る」など、心理的に離れにくくする施策も有効である
・ほぼ離反している顧客のリザレクションも有効だが、くどくならないように留意する
第8章:収益化をハックする
・まずは分析する(チャネルごと、ユーザー層ごとなど)
・ユーザのニーズを理解する
・支払いに影響する心理の特性をうまく利用する
(返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、権威、好意、希少性)
第9章:成長の好循環
・実験を繰り返し、成長の壁に挑み続ける
・グロースハックは地道に、実験と振り返りを繰り返すことから生まれる