映画ログ:マイレージ、マイライフ
映画の中には、10分観ただけで名作だと分かるものがあると思う。
この「マイレージ、マイライフ」もそのタイプの映画の一つである。
この映画の主人公ライアンは仕事に生きるタイプ。そしてプライベートは「バックパックに入りきらないものは持ち歩かない」という主義。
ワンルームの部屋、私服のないクローゼット、おそらく相当な給料をもらっているであろうが、彼にはプライベートで何かを示すものはない。
出張で忙しく飛び回り、目標は1000万マイルを貯めること。
仕事は「解雇人」であり、人からは恨まれ感謝はされない仕事である・・・
この映画を26歳で見て思うこと、30歳で思うこと、40歳、50歳・・・と永遠について回るんだろうと思う。
昔、大学を卒業するときに、「明日からブラジルへ赴任だ」と言われて、赴任できるフットワークと度胸を持っていたいと思っていた。
ただ、それはもしかしたら、度胸ではなくて自分の中のバックパックが単に空虚であるということだけなのではないだろうか?
例えば、結婚をして家族を持つ。例えば、友人と過ごす。そういうしがらみや荷物、あるいは絆といったものを、捨ててバックパックを捨てて、マイルだけが生きがいになるとしたら、それはもしかしたらむなしいのではないだろうか?
今も海外赴任には憧れるものはあるけれど、その結果得られるものが、もしもマイルだけなのだとしたら?バックパックを軽くするのではなくて、その中に多くのものを入れ続ける方が素敵な人生なのでは?
会社で働く上での生き方を何十回でも考えさせてくれる映画でした。