この本を読むうえで一番最初に理解をしておかないといけないのは、この本の著者が「News Picks」という硬派系インターネットメディアの編集長である佐々木紀彦氏であるということ。
インターネットメディアの編集長をやる人が、留学でどういう教養や知見を持って帰ってくるのか?ということを考える観点で読むと面白いです。
逆に、著書の内容は留学体験記+よくある国の特徴や成り立ちなどの議論で、それほど斬新さがあるわけではないので、自分で留学したり国際政治を勉強している人にとっては、それほど役に立つ内容ではないかもしれません・・・。
米国製エリートは本当にすごいのか? (中経の文庫 さ 21-1)
- 作者: 佐々木紀彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 文庫
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ちなみに、自分用の読書メモとしてまとめると
第1章:米国の一流大学はほんとうにすごいのか?
・授業自体がすごいわけではなく、とにかく大量のインプットとアウトプット
頭の良さ=インプットの量とアウトプットの質で決まるので、そこを徹底的に鍛えられる。
・1も無駄にしない時間管理術を身に着けられる。
第2章:世界から集うエリート学生の実態
・よくある国民性議論(韓国=人数が多くて群れる、中国=個人主義)など
第3章:経済・ビジネス
・MBA卒業生が金融・コンサルへ行くのは「給料がいい」「つぶしがきく」から
・リスク感度が高く「キャリアを積めなくなる」リスクを非常に考えている
第4章:歴史
・歴史を語るフレームワークは「コンスタンシー(連続性)」「サイクル(循環性)」「ノベルティ(新規性)」の3つ
⇒この3つの組み合わせで歴史が作られていく。
・リベラル派の考え方の基本は「未来への愛国心と理想の追求」で弱者救済的な考え方を好む
・米国の歴史には失敗もあるが、それを教訓化する姿勢がある
第5章:国際政治
・国際政治において米国は非常に高いインテリジェンス予算を保有している
・一方で、フレームワークや概念的なアプローチは得意であるが、比較的現場の考えなどを忘れがち
・ベトナム戦争・イラク戦争後の占領政策では、理論だけで現実がついてこなかった
第6章:日本のエリートについて
・知識=①インプットx②頭の良さ・センスx③対話スキル・アウトプットスキル
⇒②では差がつかないので、①や③を伸ばしていくのが良い
・知力とはよき対話相手を持つこと