うぇるそふぃあ ~35歳リーマンの生活収支改善ブログ~

某IT会社で勤める35歳の企画系ヌルリーマンの日常。日々が退屈で、面白いことを失ってしまった僕に「楽しさ」と「驚き」を。自分がテクノロジーやガジェットが好きなのでそれ系の記事が多めになると思います。

『身のたけ起業』個人で稼ぐ時代の生き方マニュアル

この本、タイトルにある通り自分で持っているスキルを活かして起業を進める本です。

起業する際の参入分野はエキスパートと呼ばれる日本では新しく認知され始めた職業。




よい言い方をすれば、教師でありコンサルタント。もしくは最近ではやや死語になっているアルファブロガーなどのエキスパートと呼ばれる職業が本書で勧められています。

身もふたもない言い方をすれば、最近流行の「情報商材」業界への参入マニュアルです。



全体を通して、ビジネスを起こしていく上での、マインドの持ち方、顧客とのコミュニケーション取り方、ビジネスモデルなど非常によくまとまっています。

別に上で書いたような情報商材だけではなく、他のスモールビジネスも含めてこの本に載っている考え方は応用がきくと思う。



個人的に、この本の最も印象的な内容は、年収1000万円を実現する際の収入例で、



①会員サイト:月額5000円×30人=年間180万円

⓶教材販売:単価30000円×100人=年間300万円

③セミナー:単価50000円×5人×年間12回開催=300万円

④オンサイトの個人コンサル:月額10万円×2名=年間240万円



というパターンを書いており、これだけ見ると非常に狭く、一部の限られた顧客から高く費用を取るモデルを想定している。

正直ここを読んだ段階で、ありえないレベルでぼったくっているように見え、うわーと背筋が冷たくなってしまった。



しかし、この本が次に押しているのは「徹底的な差別化」である。

例えば、まじめなビジネス風のジャンルで行くと「ミャンマーで中小企業(特に物流業)の海外進出を支援」
だったり、いわゆる怪しい情報商材風であれば、「大学1年生まで女性のまともに話したこともない人が、どうすればバイト先で知り合っただけの薄いつながりの彼女と付き合えるのか?」というような「超ニッチだが、ニーズが切実」な市場で圧倒的な地位を築くということが重要だと書いている。



例えば、私自身、中学・高校とずっと男子校で、大学に入るまでは女の人と話をすることもまったくできなかった。大学デビューをしようとしても、女の人と1m未満に近づくとビビってしまうありさまだった。
この深刻な女性恐怖症をあの手この手で乗り越えてきたわけだが、こういうニッチで切実な経験やノウハウを「適切な市場に、適切に伝えていけば儲かる」と教えている。



(別に大した努力はしていないので、聞かれれば教えるくらいの内容ですが・・・。この本での教えでは、このニッチで切実な悩みを抱えている人にとって、このソリューションは値段がつけられないほどの価値なので、売れる!ということです。

たしかに、当時女性恐怖症が2万円と言われたら払っていたかもしれない・・・)



さらに、ポジショニングの取り方も上の例で行くと、「女性恐怖症改善」の専門家として1000人くらいにアピールするよりも、「大学デビューでの女性恐怖症改善!」みたいに、1000人のうちの50人くらいに強力に響くほうがいいと書いている。



この差別化のやり方や上手にお客様にアピールをしていくコミュニケーションの取り方も別にこのエキスパートに限らず応用可能です。

特に、この人の提唱する世界観も、『ワークシフト』(リンダ=グラットン)や『フリーエージェント社会の到来』(ダニエル=ピンク)等とも似ており、個人で稼ぐ能力が今後重要になっていきますよと書いていて、興味深いです。

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