キュレーションとイノベーションと簡単な論文の書き方
前々から、積読状態になっていた本を一冊片づけことができました。
かなり読みながらいろんなことを考えることができました。
その名も「キュレーション」
- 作者: スティーブン・ローゼンバウム,監訳・解説:田中洋,翻訳:野田牧人
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本
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洋書の翻訳にありがちな、よくわからない比喩を織り交ぜつつ、繰り返される同じ結論。
「これからの時代はキュレーションだよね!」
正直、このブログでこれからまとめる内容があれば、本書はわざわざ読まなくていいと思います。
この本の主張はたった一つ。
「自分でコンテンツを作るのではなくて、収集し、選別し、編集し、共有する=キュレーションこそが重要だ。」
これを私の文脈で解説します。(本書の内容と逸脱する箇所ばかり。)
もともと、WEBサイトの業界では「最も重要なものはコンテンツである」という神話があった。例えば、フラッシュ職人など一部の職人が良質なコンテンツを作り、ユーザーが楽しむという世界観だった。それがソーシャルメディア(YouTubeなども含めたいわゆるWeb2.0的なメディア)の台頭により、コンテンツはもはや溢れる水のようにコモディティになってしまった。
その結果、貴重なのは「コンテンツそのもの」ではなく「面白いコンテンツを編集し共有できること」になってしまった。
例えば、BoketeやTogetter、はてなブックマークなど、大量のコンテンツから上澄みだけを拾い集めていくようなサービスの時代だと。
これは個人ブロガーのレベルでも同様で、0ベースで面白いものを作る職人ではなく、お手軽に記事をまとめてくるようなスタンスのほうが世の中に安定して受けていくだろう。とそういうことのようです。
ただ、この「キュレーション」。
こう言われると新しいトレンドに見えるけど、考えてみると当然のことで、学者の世界なんかは「新しい発見の顔をした古い論文のまとめ」がいっぱいある。それがWebサイトの世界にも出てきましたよー。というだけのことのような気がする。
ちなみに個人のレベルでキュレーションにどんな方法があるかをまとめてみた。
(いわゆるレビュー論文の書き方と同じなので、大学生は参考にしてね!)
キュレーションの5つの種類
1. 時系列まとめ
原点からさかのぼり、何かのテーマについて変遷、進歩を解説する。
例えば、有名人の日記を時系列ごとに解説するとか。
企画案:「しょこたんの日記を7年分調べ、服装の変化を解説。」
2. 分類
似たコンテンツをまとめ、「○○一覧」のような感じで見せる。
また、「○○派」「○○派」と適当にカテゴライズしていくとなおよい。
企画案:「Boketeで受けるためには?カテゴリ別まとめ」
3. 対立点解説 (類似点解説)
明確に意見が分かれる場合、それをまとめどこが対立しているのかを示す。
また、どこの部分が似ているのかを示す。
企画案:「いろいろあるけど、まずそうなのしか思いつかん・・・」
4. 分析・解説・批評(中立)
何かの事柄について、分析し解説を付けていく。
5. 独自理論
何かの事柄について、資料を集め、独自理論を編集する。
最終的に「な、なんだってー!!??」と言われれば成功。
これが一番レベルが高い。
・・・書いてみるとすごい普通じゃん。
・・・「キュレーション」、読んでみてもすごく普通でした。
まあ、Webでウケたければ「誰もやってない、面白いことで、特大ホームラン」ではなくて、すでにあるものをまとめて、それをアレンジしていくのがいいですよーという結論です。
最後に、イノベーションについて。これも同じでただ、コピペするだけではなくて、コピペをするセンスなり、コピペの後の結論にイノベーションやバリューが出ていきます、考えてみると至極まっとうな話でした。